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独立系FP 福嶋淳裕のブログ

アパートローンの借り換え

2018年8月末、アパートローン(残り 約2,800万円 約12年)の借り換えを思い立ち、初動から10日で結論が出た、というエピソードです。
実際に行動したのは5日間です。
「もしかしたら参考になる方がいらっしゃるかも」と思い、アップします。

 

 

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1. 背景

私の父(80代)は関東の某県でアパートを1棟所有しています。
自営業だったため国民年金(基礎年金)しか受け取れず、かつ、蓄えもほとんどなかったことから、廃業したのち、自宅敷地内にフルローン(頭金なし)でアパートを建てました(約13年前)。

ローンの貸し手はハウスメーカーから紹介された「◯◯生命」で、「全期間(25年)固定金利 2.8%」で契約しました。
全期間固定金利型は、返済期間中の金利上昇リスクを回避するために、連帯保証人でもある長男の私が提案したものです。

ローンの返済が定額である一方で、サブリース会社から入ってくる家賃は、家賃下落リスクと空室リスクにさらされ、数年ごとに下がっています。
とはいえ、差し引きはプラスであり、父母世帯の生活費の足しになっていました。

ところが昨年の夏、父が脳出血を起こし、突然「要介護4」に!
父のお金の管理は私が代行することになりました。

約半年間の入院と、その後の在宅介護(+デイサービス)などによる支出の増加、サブリース契約更新による家賃収入のさらなる減少により、2018年8月末、「この状態がずっと続けば、いずれは父の金融資産が枯渇する」という現実がはっきりと見えてきました。

  • 自分(会社員、50代)が補填するのは最後の手段にしたい
  • ではどうする?
  • そういえば7月末、日銀が金融政策を修正した
  • そうだ! まずはアパートローンの借り換えにチャレンジしよう!

という流れです。

 

2. 行動

1日目(9/3) 問い合わせ準備【問い合わせ先リストの作成】

インターネットの地図を見ながら、地元および近隣の駅前に支店がある金融機関をリストアップしました。
失礼ながら「金庫」「組合」は除いて、「四大銀行」「信託銀行(4行)」「地方銀行(3行)」「第二地銀(2行)」の合計13行の支店の電話番号を調べました。

2日目(9/4) 問い合わせ開始【電話】

重ねて失礼ながら、練習を兼ねて、リストの一番下の第二地銀から電話をかけ始めました。

  1. まず、アパートローンの借り換えを取り扱っているかどうか尋ねます。
  2. 取り扱っている場合は、向こうからいくつか質問してきます(場所は? 建物の構造は? 築何年? 今のローンはどこ? 残りの金額と期間、金利条件は? などです)。
    金利は曖昧に「固定で2%台」と答えました。
    2%台前半と勘違いしてもらえるように (^_-)
  3. 向こうからの質問が終わったら、こちらから「このあとの個別審査次第であることは重々承知しているが、もし何の問題もなかったとしたら、残り期間が12年または10年として、固定でどの程度の金利があり得るか? 目安でかまわないので教えて欲しい」と、ズバリ(しつこく)尋ねます。
    電話をかけ始めた最初の段階で話すことができた地方銀行3行から「1%前後」という言葉を引き出せたことから、そのあとの電話ではやや強気に、「1%を切る可能性はあるか? 可能性がないならお互いに時間の無駄になるので」のような聞き方に変えました(笑)。

支店レベルでは担当者が一人しかいないところが多いようで、外出や接客でつかまらないこともあり、この日は8行の担当者と話して終わりにしました。

3日目(9/10) 問い合わせ継続【電話】

3行の担当者と話すことができました。

ここまでの電話の中で、「全期間固定ローンの借り換えには違約金がかかることが多い。◯◯生命さんには確認済みか?」という趣旨の質問を何度か受けたこともあり、◯◯生命に電話しました。

  • 私:「ローン期間も半分まで来たが、今となっては金利が高すぎる。複数の銀行から1%を切る提案を受けている。ついては、借り換える場合に違約金が発生するかどうかと、◯◯生命さんのままで金利の引き下げが可能かどうか、の2点をお聞きしたい」
  • ◯◯生命:「現在の契約は違約金が発生しない契約です。全額繰上返済の手数料75,600円だけです。金利の引き下げについては社内の決裁を得る必要があるので、回答はあさっての夕方までお待ちください」

ふむふむ。違約金がないことでまずは一安心。
金利引き下げも可能な感触。「1%を切る提案」という決めゼリフ、ちゃんと聞いてたかな?

4日目(9/11) 問い合わせ終了【電話】

なかなかつかまらなかった残りの2行の担当者と話すことができました。

この時点で、「1%前後」を聞き出せた4行(地方銀行3行と信託銀行1行)を借り換え候補としました。

  • A信託銀行(超有名)「固定10年なら1%を切ることが多い」
  • B地方銀行(県名と同じなので有名)「1%前後」
  • C地方銀行「1%を切ることが多い。1年刻みも可能」
  • D地方銀行(本店は隣県)「10年なら1%台前半。切ることもある」

借り換えが徐々に現実的になってきた半面、「4行(A駅の2行、B駅の1行、徒歩5分の1行)と、さらには役所も回るとなると、有給休暇を何回か取らないとなぁ。面倒だなぁ...」というのが正直なところで、「明日の◯◯生命の回答が1%ジャストだったら、それで十分なのでは?」という気持ちに急速に傾きました。
「◯◯生命さん、1%でよろしく!」という感じです(笑)。

5日目(9/12) ◯◯生命から金利の回答【電話】

なんと! 期待どおりの回答でした。

  • フル固定で1.0%(期間は変えず金利のみ変更)
  • 父の印鑑証明書1通(300円)と収入印紙(200円)1枚が必要
  • 手数料54,000円が10/5のローン返済(口座振替)に加算される
  • 10/6に新金利適用 → 11/5の回からローン返済額が毎月22,813円安くなる!
  • 新契約では、将来、一括繰上返済を行う場合、違約金が発生する(残債の2%) 
  • ◯◯生命:「ご検討のうえ、お返事は9/21までにお願いします」
  • 私:「いえ、決めました! 書類を送ってください」
  • ◯◯生命:「ありがとうございます。連休明けに届くよう発送します」

この日はいつもより少し多く飲みました(笑)。

 

3. まとめ

  • 近くに支店がある銀行を13行選び、電話番号を調べた。
  • 今のローンの貸し手を含め、14ヶ所に電話した。

これだけで、残りの期間のキャッシュフローを約330万円改善できました!

 返済減額分(22,813円×残り146ヶ月)
  - 諸費用(54,000円+300円+200円)
  = 3,276,198円!


借り換え候補4行と交渉すれば、1%を切ることもおそらく可能だったでしょう。
でも私としては、電話しただけで約330万円節約できた、この結果で満足です。
◯◯生命さん、ありがとうございました。

という、エピソードでした。

  • アパートローンに関し、四大銀行は、総じて高めの金利のようです。
  • 信託銀行は、低めの金利を明言するところもあれば、つい最近アパートローンから撤退したところもあり、千差万別でした。
  • 地方銀行は、総じて低めの金利のようです。
  • 第二地銀は、アパートローンを取り扱っていないところと、担当者が金利の目安を言ってくれなかったところがありました。


以上、どなたかのご参考になれば幸いです。