確定申告、してますか?
会社員や公務員であれば、確定申告しなくても勤務先の年末調整で済む方が多いので、「確定申告はしたことがない」「自宅を購入して(建築して)、住宅ローン控除を利用開始するときに一度だけ確定申告した」という方が、人数的にはまだまだ主流派だと思います。
一方、「家族全員(同居・別居問わず)の医療費を、家族の中でもっとも節税効果が高い一人に集約して医療費控除を申告している」などといった節税意識が高い方もいらっしゃいます。
そしてこのブログの想定読者である「金融リテラシーを高めたい方」「金融資産を合理的に運用していきたい方」であれば、「これからは確定申告したい」という方が相当数いらっしゃるのではないかと推察します(確定申告することが世帯にとって不利になりかねない方は除きます)。
確定申告を行う方法は、
- 税務署などを訪問して書類一式を提出する
・職員に手渡す
・郵便受けのような箱に入れる - 税務署に書類一式を郵送する
- 税理士に委託する
などいろいろありますが、すべて自分で行う普通の人の場合は、自宅のPCから送信して完結する「e-Tax(電子申告)」がもっとも便利です。
ただし、e-Taxを利用するためには、「住民基本台帳カード(住基カード)」またはこれを置き換える形で登場した「個人番号カード(マイナンバーカード)」に加え、それらを読み取れるカードリーダーとインターネットに接続されたPCが必要でした。
今回の記事は、「e-Taxで確定申告したことがない方」が主な対象になります。
長い間、私と父の確定申告書は、国税庁Webサイトの「確定申告書等作成コーナー」で作成し、まとめて私が税務署に持参して職員に手渡してきました。
「本当は本人(父のこと)が来てくれないと困るんですよねー」などと言われるようになったこともあり、昨年、カードリーダーを購入し、平成29年分から私の分はe-Taxに乗り換えました。
父はマイナンバーカードを持っていないため、父の分は書類一式を郵便局に持ち込み、普通郵便で郵送する方法に変えました。
先月(2018年11月)、「来年(2019年)1月から、マイナンバーカードやカードリーダーをお持ちでない方でも、e-Taxで確定申告できるようになりますよ!」との郵便物が、所轄の税務署から父宛てに届いていました。
新たに始まる「ID・パスワード方式」というそうです。
確定申告の義務がある方や、確定申告すれば節税できる方のうち、マイナンバーカードを持っていないためにこれまでe-Taxを利用できなかった方にとっては、朗報といえるでしょう。
ただし、「ID・パスワード方式」を利用するためには、まずは税務署(全国どこの税務署でもOK!)に行き、職員との対面による本人確認のあと、IDとパスワードを発行してもらう必要があるようです。
IDとパスワードの取得手続きは5分程度で済みます。
と郵便物には書かれていますので、たまに行く行政の窓口でのイライラはないのかもしれません。
IDとパスワードをゲットしたら、あとは「マイナンバーカード方式」と同様、出かける必要も郵便切手を買う必要もなく、確定申告できます。
さらに「ID・パスワード方式」の場合、カードリーダーはもちろん、PCすら必須ではなく、スマホやタブレットでもOKとのことです。
何らかの理由でマイナンバーカードを当面作りたくない方が確定申告する際は、「ID・パスワード方式」によるe-Taxの利用を検討してみてはいかがでしょうか?
関連URL
国税庁「e-Tax利用の簡便化の概要について」
なお、マイナンバーカードについては、いまのところ私は、年に1回のe-Taxしか使いみちがありません。
しかしながら、
- 無料で作成でき
- 有効期間が長く(10年)
- 個人番号(マイナンバー)も確認できる
- 顔写真付きの
- 本人確認書類
として、「マイナンバーカードは作っておいたほうがよい」と考えています。
- 運転免許証やパスポートではマイナンバーを確認できません。
マイナンバーの提示が必要な場面は滅多にありませんが、番号確認(マイナンバー確認)と身元確認を1枚で済ますことができる書類は、マイナンバーカードしか存在しません(国税庁「番号法令、国税庁告示における主な本人確認書類等」)。 - どうせ作るなら、1歳でも若い顔写真を撮れるうちに作りましょう(笑)。
税務署から父宛てに届いた郵便物にも、最後のほうに次の記載がありましたので、引用しておきます。
ID・パスワード方式は、暫定的な対応であるため、お早めにマイナンバーカードの取得をお願いします。