あけましておめでとうございます。
本年がみなさまにとって素晴らしい年になりますよう、お祈り申し上げます。
さて、昨年の私個人の金融資産運用状況を振り返ります。
昨年は、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」「クリスマスラリー」「サンタクロースラリー」などのフレーズが聞こえず、大納会に向けての期待がまったく膨らまない、ひどい終わり方でした...。
ともあれ、よそのおウチの家計(金融資産)を覗きたい方、どうぞご覧ください(笑)!
家計における「金融資産」の定義:
現金・預金、株式・出資金、株式以外の国債や投資信託などの証券、金融派生商品、保険準備金・年金準備金、ゴルフ場への預託金などの預け金等、対外証券投資を含む対外債権等
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この記事の前提:
- 私名義の金融資産に限定し、家族名義の金融資産は含みません。
- 具体的には、手元のわずかな現金のほか、銀行, 証券会社, ソーシャルレンディング会社の残高の合計を意味します。
- 貯蓄型の生命保険や個人年金保険は持っていません。
- 「企業型DC(確定拠出年金)」の資産を含めるか否か?
・[銀行, 証券会社, ソーシャルレンディング会社] + 現金
・[銀行, 証券会社, ソーシャルレンディング会社] + 現金 + 企業型DC ?
については、分析の趣旨によって変えています。
1. 私の投資手法
2001年からさまざまな投資・投機を試行錯誤し、数々の大失敗を経験しました(笑)。
です。私はこれをその後の資産運用の中心・中核(コア戦略)とし、「分散・節税・低コスト投資」と呼んでいます。
たどり着いてそれなりの成果を感じ始めたあと、理論的な裏付け・確証を得るため資産運用に関連する資格を取得したり、偶然が重なって年金基金の運営に携わることになったりした結果、「一般個人の金融資産運用と年金基金の年金資産運用は、税制や金融商品の違いを除けば本質的には同じである」ことを実感しました。
プロ向け(機関投資家向け)資産運用ビジネスの業界では、年金基金による年金資産運用が資産運用の標準的な方法、とされています。
であるならば、一般個人にとって、年金基金の運用方法の概略についてまったく知らないよりも、少しは知っているほうがよいと思いませんか?
「分散・節税・低コスト投資」は、
- 「世界各国の年金基金の多くが何らかの形で採用している現代(近代)ポートフォリオ理論と、日本国内の個人向け税制優遇措置(DC, NISA)の要点を理解し、
- アセット アロケーション(資産の配分)とアセット ロケーション(資産の置き場所)がそこそこ適切であれば、
- 合理的に資産形成できるはずだ」という考え方のもと、
- 「パッシブ(インデックス)型の投資信託を買い増していく」投資手法です。
なお、私の運用目的は、ズバリ「老後資金形成」、要は「老後のため」です。
「長生きしたい」とか「(金銭的な意味で)贅沢したい」などの気持ちはさらさらないのですが、「将来、自分または配偶者が想定以上に長生きしてしまっても、お金に困ることがないよう、できるだけ準備しておきたい!」、それだけです。
2. 資産配分比率(2018年12月末)
資産区分 | 比率※ | 連動を目指す指数 |
---|---|---|
国内株式 | 14% | 日経225, TOPIX |
先進国株式 | 14% | MSCIコクサイ |
国内REIT | 10% | 東証REIT |
ほぼ先進国REIT | 13% | S&P先進国REIT, S&PグローバルREIT |
安全資産 | 49% |
※企業型DCを含みます。
(企業型DCを含めて1つのポートフォリオだから)
- 最初の4行は、それぞれ単一または複数のパッシブ(インデックス)型投資信託によって構成されています。ほぼ毎日、価格(基準価額)が変動する「リスク資産」です。
- 安全資産の内訳は、「現金」「預金」「個人向け国債(変動10年)」「ソーシャルレンディング会社の口座残高」です。ソーシャルレンディング投資にリスクがあることは承知のうえで、ファンド(案件)の価格は変動しないことから、便宜上、安全資産に区分しています。
- この数年、内外のREIT(特に国内)を毎月買い増していますので、2018年は、この2種類の比率がその分増えました。これは計画どおりの変化です。内外の株式は、中長期的な目標としている配分比率におおむね一致しています。本当はやや超過していたのですが、年末にかけて自動的にリバランスされました。若干、されすぎです(笑)。その影響により、安全資産がやや超過しました。
3. 年間運用損益(2018年)
投資信託(金融資産の51%)は、次の2ヶ所に置いています。
SBI証券の特定口座とNISA口座 | 金融資産※の38% |
勤務先の企業型DC制度 | 13% |
※この金融資産には、企業型DCを含みます。
(企業型DCを含めて1つのポートフォリオだから)
かつては投資信託を複数の金融機関(証券会社や直販型の投資信託委託会社)で買っていました。
徐々に散らかってきたため(笑)、2011年9月から整理を始め、2012年12月に(企業型DCを除き)SBI証券1社に集約しました。
その後2014年12月、投資信託の「トータルリターン」通知制度が始まり、結果として私の投資信託の運用損益(年次)は、SBI証券のトータルリターンのWebページを眺めれば一覧できるようになりました。
トータルリターンとは、一定の期間における投資信託の売買および保有によって生じた「実現損益」、「分配金」、期末時点の「評価損益」の合計です。
トータルリターン
= ①評価金額 + ②累計受取分配金額 + ③累計売付金額
- ④累計買付金額
企業型DC のトータルリターンも同じ体裁で見たいのですが、残念ながら、私が加入している企業型DCの運営管理機関はトータルリターンを提供していません。
(1) コア戦略
①SBI証券における年間トータルリターン
- ご存じのとおり、2018年末はTOPIXや日経225など、国内株式の指数が2017年末の値を大きく割り込みました(下表ご参照)。アベノミクス始まって以来、初の前年割れです。国内REITは堅調でしたが、国内株式や先進国の株式・REITの下落をカバーしきれず、私の年間トータルリターンは久しぶりにマイナス圏に沈みました。
- なお、念のためですが、上の表は、SBI証券における投資信託の取引や保有分だけが対象です。
参考:
指数 | 2017年末 | 2018年末 | 騰落率 |
---|---|---|---|
TOPIX | 1,817.56 | 1,494.09 | -17.80% |
日経225 | 22,764.94 | 20,014.77 | -12.08% |
東証REIT | 1,662.92 | 1,774.06 | 6.68% |
②企業型DCにおける年間トータルリターン
2018年分のみ自分で計算してみました(私が加入している企業型DC のWebサイトは、過去1年分しか取引履歴を閲覧できません)。表の体裁はSBI証券に合わせています。
年 | A評価金額 | B累計売却金額 C累計分配金額 |
D累計買付金額 E前年末評価金額 |
トータルリターン (A+B+C)-(D+E) |
---|---|---|---|---|
2018年 | 5,817,791 | 0 318 |
138,600 6,367,680 |
-688,171 -10.81% |
(2) サテライト戦略
上記、コア戦略のトータルリターンの表に含まれない金融商品の取引や保有分は、いわばサテライト戦略ということになります。
内容 | 実現損益 (税引前) |
年末時点の運用状況 |
---|---|---|
個人向け国債(変動10年)の利金 | 4,000円 | 運用中(元本800万円) |
株式(現物)の短期売買(2往復) | 234,900円 | なし |
ソーシャルレンディングの分配金 | 10,736円 | 運用中(元本150万円弱) |
- 本来は「国内債券」の資産区分で「NOMURA-BPI総合」に連動する投資信託を買うべき資金を使って、個人向け国債(変動10年)を保有しています。
- 毎年1~4回程度、株式(現物)の短期売買を行っています。
2018年は10月にA銘柄100株を、12月にB銘柄300株をトレードし、手数料控除後の実現損益の通算結果は上の表のとおりでした。 - ソーシャルレンディングは夏から徐々に投資し始めたところなので、分配金の受け取りはまだフル稼働していません。
- 2018年の運用損益をひとことでいえば、「コア戦略の損失(評価損)を、サテライト戦略の利益(実現益)でカバーできなかった」ということになります。まぁ、こういう年もあります。ただ、毎月、貯蓄・投資に資金を回せているので、金融資産の残高自体は1年間でそれなりに増えています(次のグラフご参照)。
4. 金融資産残高の推移(1999年4月末~2018年12月末)
レバレッジをかけた資産や外貨建て資産を含めたこれまでの運用成績あるいは運用残高の推移をまとめて(1枚で)お見せする良い方法を思いつきません。
そこで、収入や支出、負債の返済、リスク資産の値動き等々、私のすべての経済的活動の結果である「金融資産残高の推移の棒グラフ(月次)」を掲載します。
1本の棒の高さは、その月の末日時点の金融資産※残高を表しています。
※この金融資産には、企業型DCを含みません。
(企業型DCの掛金は給与収入ではなく、
運用できても換金できない資産だから)
したがって棒の高さは、その月の
- 収入
- 支出(負債の返済を含む)
- 運用損益(実現損益+月末の時価による評価損益)
によって変動します。
ただ、勤務先(会社)の給与・賞与は、暦年でみると、会社の経営事情によりガクンと下がった2012年を除けば、この約20年の間、それほどは変わっていません(涙)。
給与収入が(2012年以外は)おおむね同じ水準だったということは、棒の高さの中長期的な変動要因は、
- 支出の(内容や金額の)変化※ = 貯蓄率の変化
※たとえば、住宅ローンの返済や子どもの教育費など - 運用損益(実現損益+評価損益)
といえます。
参考記事:
2018/9/30「サラリーマン個人投資家の家計(金融資産残高)推移の実例」2018/10/13「国内債券投資「代替」としての個人向け国債」
2018/11/7「ソーシャルレンディング投資に伴うリスク」