エーアイトラスト株式会社(ソーシャルレンディングサービス「トラストレンディング(Trust Lending)」の運営会社)の諸問題に関するアップデート情報です。
ソーシャルレンディングに関する過去記事
2. 金融資産運用設計
このお題は、できれば新しいネタが出ないことを願っていたのですが(苦笑)、いよいよ影響が私に及び始めました。残念です。
前回の記事に掲載した表に、本日、該社が発表した最新状況を赤い字で追記します。
種類 (シリーズ) |
2018/12/14 行政処分 |
2019/3/8 行政処分 |
運用状況 | 私の出資額 | |
1 | 債権買取 | △貸付先の申入れにより運用期間を延長中→6月度の分配なし(延滞)※1 | なし | ||
2 | 船舶艤装品 | 〇通常運用中 | なし | ||
3 | 高速道路工事 | ×虚偽の表示 | ×訴訟提起により貸付先が支払停止中 | なし | |
4 | 除染事業 | ×虚偽の表示 | ×訴訟提起により貸付先が支払停止中 | なし | |
5 | 公共事業コンサル | ×虚偽の表示 | ×訴訟提起により貸付先が支払停止中 | なし | |
6 | IoT実証実験 | ×虚偽の表示 | 〇通常運用中→6月度の分配なし(延滞)※2 | なし | |
7 | 大型船舶建造 | 〇通常運用中 | 10万円 | ||
8 | 燃料卸売 | △誤解を生ぜしめるべき表示 | 〇通常運用中→6月度の分配なし(延滞)※2 | 10万円 | |
9 | 大型重機 | 〇通常運用中 | 10万円 |
※1
貸付先から5月度の利息支払に延滞があり、6月10日の分配が行われない状況となりました。
本件ファンドについては、2019年3月末が一連の貸付の弁済期日となっておりましたが、貸付先からの状況報告と申入れを受け、ファンド貸付資金で取得した当該債権を他者に売却する際の売却代金を返済原資とすること、及び売却条件の調整期間として3ヶ月の運用期間延長を行っておりました。
この対応にあたっては、延長期間中は遅滞なく利息の支払いを行うこと、及びそれが遵守されない場合には、貸付先は即時期限の利益を喪失することを条件としておりました中で、5月分の利払いが滞る事態となりました。※2
貸付先から5月分の利息支払に延滞があり、6月10日の分配が行われない状況となりました。
延滞となったローンファンドに関する2つの事業は、貸付先は別法人ですが実事業会社は同一となります。貸付の実行以降、これまでに滞納等はありませんでしたが、燃料の供給先となる大規模公共工事における燃料需要の急増が、当初の計画よりも遅れていることから同社のキャッシュフローが悪化し、実行中の2事業について5月分の利払いが困難な状況となりました。
私が現在トラストレンディングに投資している3つのファンドのうち、1つが「6月度の分配なし」となってしまいました。
まぁ、分配が遅れるだけで(あるいは分配がなくても)出資金が戻ってくるのであれば実害はないのですが、投資家側でできることは何もない(解約できない)ので続報を待つしかありません。
しかしながら、「この会社の9種類のファンドのうち(今のところ)無傷のものは3種類だけ」という事実には、絶句します。
こういうことが、ソーシャルレンディング投資のリスクなのでしょう。
6/3以降、一部の大手メディアや、有識者と称するタレントに加え、ゼロヨネンフレーム(2004年の公的年金制度改革)を正しく理解していない国会議員が見当違いに批判の矛先としている金融庁も、ソーシャルレンディング投資には注意喚起しています。
平成31年3月27日 金融庁
ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください