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独立系FP 福嶋淳裕のブログ

WPPとFIRE (1)

この数年、気になっている「WPP」と「FIRE」について投稿します。

 

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まずは「WPP」です。

老後資金をテーマとする会話で「WPPとは何か」を説明できる人は、日本の年金制度に関係するお仕事の方か、WPP考案者の著作を読まれた方でしょう。

以下は私がWPPを、一般の会社員に対して説明するときに使っている表現です(WPP考案者オリジナルの文言とは異なる表現もあると思いますが、ご容赦ください)。

 

WPPとは?

  • WPPは「Work longer, Private pension(s), Public pension(s)」の略であり、2018年、谷内陽一氏(当時:りそな銀行)が日本年金学会に発表した「会社員・公務員が老後資金不安を軽減するための考え方(対策・方策)」のこと

  • Work longer」の意味
    定年後も、できるだけ長く働こう!(できれば厚生年金保険に入る働き方で)

  • Private pension(s)」の意味
    引退後の数年間は、DC(確定拠出年金)などの私的年金や「じぶん年金(資産の取り崩し)」で暮らそう!

  • Public pension(s)」の意味
    公的年金の受け取り開始をできるだけ遅らせ(繰り下げ)、増やした公的年金で高齢期を暮らそう!

 

  • WPPは「野球の投手」に例えて説明されることが多い
    (以下の年齢表記は、あくまでも例です)
  • 先発 = Work longer
    例:60歳の定年で引退せずに65歳まで働き、できるだけ資産を取り崩さず、減った給与の範囲で生活する
  • 中継ぎ = Private pension(s)
    例:引退後の65歳から70歳までは、私的年金の受け取りと資産の取り崩しで生活する
  • 抑え = Public pension(s)
    例:70歳以降は、繰り下げて増やした公的年金で生活する

具体的な金額を例示すればもっとわかりやすくなりますが、世帯によって額がかなり異なり、誤解を生じかねないため割愛します。

是非、試算してみてください。

 


 

私自身はWPPのことを、一次資料(日本年金学会)ではなく、2019年11月に開催されたDCプランナー資格更新研修会で知りました(講師の一人である厚生労働省 年金局 年金課長が、受講者席にいる谷内氏を壇上から視認し、アドリブでWPPを紹介してくれました)。

私はWPPに賛同します。

多くの会社員・公務員に適用できる(適用すべき)考え方だと思います。

ただ、WPPは、日本の現役世代全員に向くとまではいえない、とも感じており、「WPPはどういう人に向く考え方なのか?(どういう人には向かない考え方なのか?)」をときどき考えています。

 

次回はFIREについて投稿します。