「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」
「銃声が鳴ったら買え」
オミクロン株蔓延、FRB利上げ・量的引き締め観測、そしてウクライナ...。
2022年は寅年。「寅、千里を走る」という相場格言が伝えられていますが、太平洋戦争後、寅年相場は1勝5敗だったそうです。
- 1950年、朝鮮戦争
- 1962年、キューバ危機
- 1974年、ニクソン大統領・田中首相辞任
- 1986年、チェルノブイリ原発事故(この回だけ株式相場は上昇)
- 1998年、橋本首相退陣、ロシア危機、日本長期信用銀行国有化
- 2010年、ギリシャ危機
干支のアノマリーはさておくとしても、今年は参議院選挙、米国中間選挙があり、さらには韓国・フランス・フィリピン・コロンビア・ブラジルの大統領選挙もあります。
単に政治勢力図の変化だけでなく、財政・経済分野や対米・対中・対日姿勢などでも方針変更が生まれうる年です。
また、参院選を終えた岸田首相が、マーケットや企業・家計部門にとってネガティブな政策を打ち出すリスクを、個人的には払拭しきれていません。
日本周辺の安全保障においても、中国・習近平、北朝鮮・金正恩の脅威は年々増しており、まさに “今そこにある危機” 状態です。
ロシア・プーチンがウクライナに侵攻したら、私たちが運用している金融資産、老後資金はどうなるのでしょうか?
- 2014年のクリミア危機の結果、ロシア・プーチンがウクライナ南東のクリミア半島を併合したとき、日本はもちろん、米国もEUもそれを覆すことはできませんでした。
今回のウクライナ危機が、親ロシア派が実効支配するウクライナ東部地域のロシアによる独立承認と、それら地域へのロシア軍の派兵・駐留でいったん落ち着き、それ以上ウクライナ内部にロシア軍が進軍しなければ、ウクライナ情勢をめぐる不透明感はひとまず後退し、株式相場は上昇に転ずるかもしれません(もちろん、ウクライナの人々にとっては、それですむ話ではありませんが)。 - あるいは、ウクライナ内部にロシア軍が進軍しない場合でも、先進諸国によるロシアへの制裁やウクライナ社会の混乱によって、ロシア産の原油・天然ガス、ウクライナ産の小麦などの輸出が激減し、世界的なインフレ懸念が一層高まることにより、株式相場はさらに下落してしまうのかもしれません。
老後資金形成を目的として、10年・20年・30年スパンで分散投資を実践する私たちとしては、正念場です。
未来を予知できない以上、マーケットからは決して撤退せず、許容できるリスクの範囲でロングポジションを保持し続け、将来の果実につなげましょう。
とはいえ、ご自身のポートフォリオのVaR(Value at Risk)は、今一度計算して覚悟しておくべき重要な局面であると思います。