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独立系FP 福嶋淳裕のブログ

9カ月後に退職する会社員の金融資産残高推移(1999/4/30~2022/6/30)

退職予定日まであと9カ月!

時季が来ましたので、今回は気が進まないのですが(苦笑)、私の金融資産残高の推移を3カ月ぶりに点検しました。
3カ月前の記事を複製したうえで、今回更新した部分をにしていますので、お急ぎの方は赤いところだけお読みください

 

 

この記事における「金融資産」の前提:

  • 現金のほか、銀行、証券会社、ソーシャルレンディング会社の口座残高です。
  • 私名義の金融資産に限定し、パート・アルバイト収入がわずかにある配偶者のものは含みません。
  • 貯蓄型の生命保険や個人年金保険は持っていません。
  • 「企業型DC(確定拠出年金)」の残高を含めるか否かについては、分析の趣旨によって変えています。

 

 

1. 私の投資手法

2001年からさまざまな投資・投機を試行錯誤し、数々の大失敗を経験。
リーマン・ショックをはじめ、紆余曲折を経て私がたどり着いた投資手法は、

です。
私はこれを資産運用の中心・中核(コア戦略)とし、「分散・節税・低コスト投資」と呼んでいます。

成果を感じ始めたあと、理論的な裏付け・確証を得るため資産運用に関連する資格を取得したり、偶然、年金基金の運営に携わることになったりした結果、「一般個人の金融資産運用と年金基金の年金資産運用は、税制や金融商品の違いを除けば本質的には同じである」という結論に達しました。

プロ向け(機関投資家向け)資産運用ビジネスの業界では、「年金基金による年金資産運用が資産運用の標準的な方法」とされています。
であるならば、一般個人も、年金基金の運用基本方針を理解したうえで資産運用するほうがよいと思いませんか?

「分散・節税・低コスト投資」は、

  • 「世界各国の年金基金の多くが何らかの形で採用している現代(近代)ポートフォリオ理論と、日本国内の個人向け税制優遇措置(DC, NISA)の要点を理解し、
  • アセットアロケーション(資産の配分)とアセットロケーション(資産の置き場所)が『そこそこ』適切であれば、合理的に資産形成できるはずだ」という考えに基づき、
  • 「インデックス型の投資信託を買い増していく」

という、単純かつ手間のかからない投資手法です(節税と乗り換えの目的で売却することはあります)。

私の運用目的は「老後資金形成」です。
「長生きしたい」とか「(金銭的な意味で)贅沢したい」などの気持ちはないのですが、「将来、自分または配偶者が想定以上に長生きしてしまっても、お金に困ることがないよう、無理のない範囲で準備しておきたい」、ただそれだけです。

 

2. 資産配分比率(2022年6月末)

資産区分 比率 連動を目指す指数
①国内株式 13% 日経225, TOPIX
②先進国株式 15% MSCIコクサイ
③国内REIT 13% 東証REIT
④先進国REIT 13% S&P先進国REIT
安全資産 46%  

企業型DCを含みます(企業型DCを含めて1つのポートフォリオだからです)。

  • ①~④はリスク資産で、それぞれ単一または複数のインデックス型投資信託によって構成されています。
  • 安全資産の内訳は、「現金」「預金」「ソーシャルレンディング会社の口座残高」です。実際にはほぼすべて普通預金で、用途別に四つの銀行に分散させています。
    なお、ソーシャルレンディング投資には大きなリスクがあり現在撤退中ですが、「価格(時価)」という概念がないことから、便宜上、安全資産に区分しています。

  • 1~3月期:リバランスを兼ねてDC出口戦略を粛々と実行しつつ、1月下旬、2月下旬、3月上旬の急落局面において、少額の追加投資を複数回にわたって実行しました。結果として資産配分比率は、四捨五入すると3カ月前と同じでした。
  • 4~6月期:リバランスを兼ねてDC出口戦略を粛々と実行しつつ、6月中旬の急落局面でごく少額の追加投資を実行しました。

 

3. 年間運用損益(2022/1/1~6/30

(1) コア戦略

前述の「1. 私の投資手法(分散・節税・低コスト投資)」です。

リスク資産(投資信託)は、次の2カ所に置いています。

  • SBI証券の特定口座とNISA口座
    もともとは、直販投信を含め、複数の金融機関で投資信託を運用していましたが、管理の手間を減らしたかったことと、良質な投資信託をひととおり取り扱っていることから、2011年までにSBI証券1社に集約しました。
  • 企業型DC
    2004年に勤務先が導入し、私も即加入しました。
    DCは、出口戦略が重要です。長い年月をかけて育ててきた果実を一時に(一括で)収穫しようとする場合、現金化のタイミングがリーマン・ショックやコロナショックのような事態と重なったら目も当てられません。私の場合、33カ月計画の現金化プランを立て(後述)、2020年1月に実行開始し、2022年9月に完了する予定です。その後、2022年内の一時金裁定請求を予定しています(「iDeCoへの移換」という新たな選択肢については、10月ごろまでに検討します)。


以下、本年分の運用損益を「トータルリターン」で確認してみます。

  • トータルリターン
    = ①評価金額 + ②累計受取分配金額 + ③累計売付金額
      - ④累計買付金額


SBI証券における年間トータルリターン

  • 2022年1~3月、SBI証券における投資信託の運用収益率は +0.77%でした。
    年初はFRBの利上げ・量的引き締め観測による下落で始まり、さらにはロシアのウクライナ侵攻による急落局面が何度もありましたが、ひとまず、わずかながらプラスのリターンで第1四半期を終えることができました。
    3月末決算の企業年金基金の方々など、ほっとした方が多いのではないでしょうか。
  • 2022年1~6月、SBI証券における私の投資信託は、マイナス4.4%となかなか厳しい運用成績でした。
    もっとも、S&P500の年初来リターンがマイナス20.6%、Wilshire US REITがマイナス22.2%など、上半期としては歴史的下落率を記録した米国資産に比べれば、意外と下げ渋った国内資産による分散効果および円安効果により、この程度で済んだ、と前向きに考えることもできます。


②企業型DCにおける年間トータルリターン

  • DC出口戦略に沿って、2022年9月末時点で定期預金100%になるよう、
    ①毎月、投資信託の一定の口数を定期預金にスイッチングし、
    ②掛金のすべてを定期預金に割り当てています。
    これにより定期預金のDC内比率が2021年9月末現在で60%を超えたため、トータルリターンの算出をやめました(ちなみに2022年6月末現在、定期預金は90%になっています)。

(2) サテライト戦略

コア戦略以外の取引や保有分をサテライト戦略と称しています。

内容 実現損益
(税引前)
現在の運用状況
ソーシャルレンディング
分配金
+4,176 運用中(元本20万円)

 

4. 金融資産残高の推移(1999/4/30~2022/6/30

レバレッジをかけた資産や外貨建て資産を含めたこれまでの運用成績を、まとめて(1枚で)お見せする良い方法を思いつきません。

そこで、収入や支出、負債の返済、リスク資産の値動き等々、私のすべての経済的活動の結果である「金融資産残高の推移の棒グラフ(月次)」を掲載します。


1本の棒の高さは、その月の

  • 収入
  • 支出(税・社会保険料や借入金返済を含む)
  • 運用損益(実現損益+月末時価による評価損益)

の結果としての、月末時点の金融資産残高を表しています。

ただし、このグラフには企業型DCを含めていません(将来の受け取り時に、収入・資産計上します)。

  • 上のグラフ、中央やや左の「レ」の形の凹みは、株式の信用取引など無茶していた頃のリーマン・ショック(2008年秋)の影響です。
  • リーマン・ショックより左側にもガクンと低くなっている棒が数本ありますが、これらは住宅ローンの繰り上げ返済による残高減少です。
  • 右端近くにあるV字型の凹みは、2020年3月のコロナショックです。
  • 右上の凹み2本が、本年、2022年の1~2月です。3月に急回復したものの、その後は減少傾向です。

 

以上、参考になるかどうかわかりませんが、「ある会社員の家庭の実例」として投稿しました。