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独立系FP 福嶋淳裕のブログ

個人向け国債 検討メモ (4)

本日は7月募集の発行条件の発表日でした。3タイプすべての利率が上昇しています。利率の順位は「固定5>変動10>固定3」のまま変わりませんでした。個人向け国債そのものの「見直し」に関する政・官の動きも引き続きポツポツと報道されていますね。新たな情報が出てきたら改めて投稿したいと思います。

さて、私の「預金から個人向け国債へ」の検討ですが、あまり進んでいません。他方、物価上昇のニュースを目にしながら、円普通預金(金利0.3~0.5%)の実質的な目減りを放置するのも精神衛生上あまりよろしくありません。というわけで、安全資産のおよそ3分の1を、S銀行の円普通預金(0.5%)から、6月開始キャンペーン「3カ月円定期預金1.25%(年率)」に移しました。他の円定期預金も合わせると、現在、瞬間風速的には安全資産の約4分の3が円定期預金になっています。

以下、今回の投稿は、「変動か固定か混合か」についての雑感です。

 

バックナンバー:

1. 1974年~2023年 年末時点 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

2. 2024年1月~2026年6月 全営業日 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

3. 2026年1月~7月 個人向け国債発行条件(データ:財務省)

4. 2025年 平均消費者物価指数の動向(出所:総務省)


5. 変動か固定か混合か(固定なら5年か3年か混合か)

個人向け国債のタイプの選び方としては、満期までの期間を考慮しないとしたとき、

  • 日本の金利が上がっていくと思う場合、「変動10」がおすすめ
  • 日本の金利が下がっていくと思う場合、「固定5」がおすすめ
  • 日本の金利の動きに一喜一憂したくない(気にしたくない)場合、「変動10」がおすすめ

などの説明が多いかと思います。一般論としては大いに賛同します。

一方で、今現在の私の個別事情や個人的意見を並べてみると...

  • 安全資産(円預金+わずかな現金)は金融資産全体の3割弱
  • 現時点で予定している一時的な高額支出は、2030年と2035年に数100万円ずつ(3・4年で来る2030年のキャッシュアウトは意識しておこう)
  • 2022年の規制強化によりIPOプライマリー投資の妙味が消滅し、多額の円普通預金を維持しておく動機がなくなった(安全資産は円定期預金または個人向け国債にできるだけ集中させるべき)
  • 現在の日本の金利上昇トレンドは2022年末(日銀YCC修正)に始まり、現在も進行中と認識
  • 現時点で個人的に想定するシナリオは「2028年半ばごろまで、日銀による政策金利(短期金利)の利上げが続き(2%程度まで)、中長期金利の上昇傾向も続く」
  • 募集時点の利率だけで判断すれば、「変動10」は不利(10年物×0.66)、「固定5」が最も有利(5年物-0.05)、「固定3」は中途半端(3年物-0.03)
  • 「固定5」を買った後で募集利率がさらに上がってしまうリスク(というか、精神的なストレス)は、「購入後1年以上経過時点での中途換金+買い直しルール」を設定、実行することにより、一定程度回避できる

といったところです。

まぁ、利金の額よりも手間の少なさを優先する場合、「変動10」を一括購入して10年間放置するのが最善でしょうし、「変動10と固定5の組み合わせ」という折衷案もありますが、今回は手間がかかっても(金利に一喜一憂しても)利金の額にこだわってみようかと考えています(今のところ)。

 


今後の投稿予定テーマは次のとおりです。

  • いつ買うか(固定なら金利のピークを狙うか? 買った後の見直し方針は?)
  • 普通預金と定期預金を原資とした購入計画
  • 個人向け国債見直し議論の進捗(必要なら購入計画の見直し)

 

金融資産の定期モニタリング(1999/04/30~2026/06/30)

私の金融資産残高の推移を3カ月ぶりに点検しました。
3カ月前の記事を複製し、表やグラフを更新した上で、更新した文字列をにしています。お急ぎの方は赤いところだけお読みください。

 

 

この記事における「金融資産」の前提:

  • 現金と金融機関の口座残高です(銀行、証券会社)。
  • 私名義の金融資産に限定し、パート・アルバイト収入がわずかにあった配偶者のものは含みません。
  • 貯蓄型の生命保険や個人年金保険は持っていません。

1. 私の投資手法

2001年からさまざまな投資・投機を試行錯誤し、数々の大失敗を経験。リーマン・ショックをはじめ、紆余曲折を経て私がたどり着いた投資手法は、

  • 現代(近代)ポートフォリオ理論に則った、
  • パッシブ(インデックス)型投資信託のバイ・アンド・ホールド

です。私はこれを資産運用の中心・中核(コア戦略)とし、「分散・節税・低コスト投資」と呼んでいます。

成果を感じ始めたあと、理論的な裏付け・確証を得るため資産運用に関連する資格を取得したり、偶然、年金基金の運営に携わることになったりした結果、「一般個人の金融資産運用と年金基金の年金資産運用は、税制や金融商品の違いを除けば本質的には同じである」という結論に達しました。

プロ向け(機関投資家向け)資産運用ビジネスの業界では、「年金基金による年金資産運用が資産運用の標準的な方法」とされています。であるならば、一般個人も年金基金の運用基本方針を理解した上で資産運用する方が良いと思いませんか?

「分散・節税・低コスト投資」は、

  • 世界各国の年金基金の多くが何らかの形で採用している現代(近代)ポートフォリオ理論と日本国内の個人向け税制優遇措置(DC、NISA)の要点を理解し、
  • アセットアロケーション(資産の配分)とアセットロケーション(資産の置き場所)が「そこそこ」適切であれば合理的に資産形成できるはずだ

という考えに基づき、

  • パッシブ(インデックス)型の投資信託を買い増していく

という、単純かつ手間のかからない投資手法です(実際には買い増しだけでなく、節税と乗り換えの目的で売却することもあります)。

私の運用目的は「老後資金形成」です。「長生きしたい」とか「(金銭的な意味で)贅沢したい」などの気持ちはないのですが、「将来、自分または配偶者が想定以上に長生きしてしまってもお金に困ることがないよう、無理のない範囲で準備しておきたい」、ただそれだけです。

2. 資産配分比率(2026年6月末

(1) 金融資産全体におけるリスク資産と安全資産の比率


3カ月でリスク資産が3ポイント増加しました。

(2) リスク資産(投資信託)のポートフォリオ


3カ月で国内株式クラスが2ポイント増加し、
他のアセットクラスの増減はマイナス1~0ポイントでした。


3カ月で日経平均が2ポイント自然増。
その影響と四捨五入効果でMSCIコクサイが1ポイント自然減。
毎月の定量売却により先進国リートが1ポイント減となりました。

3. 年間運用損益(2026/01/01~06/30

(1) コア戦略

前述の「1. 私の投資手法(分散・節税・低コスト投資)」です。

リスク資産(投資信託)は、SBI証券の特定口座とNISA口座に置いています。もともとは、直販投信を含め、複数の金融機関で投資信託を運用していましたが、管理の手間を減らしたかったことと、良質な投資信託をひととおり取り扱っていることから、2011年までにSBI証券1社に集約しました。

以下、特定口座とNISA口座における本年分の運用損益を「トータルリターン」で確認してみます(iDeCoは含まれません)。

      • トータルリターン
        = 評価金額 + 累計受取分配金額 + 累計売付金額
          - 累計買付金額

SBI証券における投資信託トータルリターン

      • 2026年1~3月、SBI証券における投資信託の運用収益率はマイナス1.07%、マイナス約68万円でした。日本の衆院選も好材料となった1・2月の明るい気分が、2人のジャイアン(トランプ+ネタニヤフ)によって3月に帳消しとなり、歴史的な乱高下の四半期となりました。個人的なドローダウンの額は、1カ月で約500万円です。「ジャイアン! 本当にもう勘弁してくれよ!」というのが率直な気持ちです。
      • 2026年1~6月、SBI証券における投資信託の運用収益率は18.40%、約1178万円でした。3月の急落は4月に入ってわずか半月で回復。その後の日経平均の急騰ぶりには目を見張るものがあり、正直、戸惑いも感じています。

(2) サテライト戦略

コア戦略以外の取引や保有分をサテライト戦略と称しています。

内容 実現損益
(税引前)
現在の運用状況
 

 

 
      • 2026年1~6月、株式の短期売買などは行いませんでした。

4. 金融資産残高の推移(1999/04/30~2026/06/30

レバレッジをかけた資産や外貨建て資産を含めたこれまでの運用成績を、まとめて(1枚で)お見せする良い方法を思いつきません。そこで、収入や支出、負債の返済、リスク資産の値動き等々、私のすべての経済的活動の結果である「金融資産残高の推移の棒グラフ(月次)」を掲載します。

1本の棒の高さは、その月の

      • 収入
      • 支出(税・社会保険料や借入金返済を含む)
      • 運用損益(実現損益+月末時価による評価損益)

の結果としての、月末時点の金融資産残高を表しています(負債を差し引く前の残高[いわゆるグロス、総額]であり、純金融資産残高[いわゆるネット、純額]ではありません)。

      • 上のグラフ、中央やや左の「レ」の形の凹みは、株式の信用取引など無茶していた頃のリーマン・ショック(2008年秋)の影響です。
      • リーマン・ショックより左側にもガクンと低くなっている棒が数本ありますが、これらは住宅ローンの繰上返済による残高減少です。
      • 右端の近くで(2022年12月)棒が急伸した最大要因は、企業型DCから一時金を受け取り(約850万円)、収入・資産に計上したことによります。
      • さらにそのすぐ右側で(2023年4月)過去最大幅の凹みとなった最大要因は、亡父から相続した負債(約1900万円)を全額繰上返済したことによります。
      • 右端に近い凹み(2025年3~7月)は、自宅建物の防蟻と30年目修繕(塗装)、PCの買い替え、食器洗い乾燥機の買い替え、両眼の手術、地震保険料の支払などの出費がかさんだ時期です。これにより、4月以降の相場の急反発ほど棒の高さが伸びませんでした。
      • 右端に一番近い、1本だけの凹み(2026年3月)は、「イスラエルとアメリカ合衆国によるイラン攻撃」を主因としたリスク資産の評価額減少です。

 

以上、参考になるかどうかわかりませんが、60代の(一応、まだ)会社員+専業主婦世帯の実例として投稿しました。

 

個人向け国債 検討メモ (3)

本日(2026年6月16日)、日銀は政策金利の利上げを決定しました(1.00%)。2024年3月(マイナス金利解除)、2024年7月(0.25%)、2025年1月(0.50%)、2025年12月(0.75%)に続く利上げです。中長期金利への波及、ひいては個人向け国債利率への影響を見ていくことになります。

「預金から個人向け国債へ」。今回は、これまでの思考を整理して投稿します。

バックナンバー:

1. 1974年~2023年 年末時点 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

2. 2024年1月~2026年5月 全営業日 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

3. 2026年1月~6月 個人向け国債発行条件(データ:財務省)

4. 2025年 平均消費者物価指数の動向(出所:総務省)


5. これまでの思考の整理(預金から個人向け国債へ)

3月からときどき考えてきたことを整理しました。私固有の事情を含む点はご容赦ください。

  • 昨年(2025年)の物価上昇率は約3.2%だったらしい【上記4.】
  • 私の場合、残高が最も多い円普通預金口座の金利は0.5%(物価上昇率を差し引くと、税引前の段階で実質的な目減りが進行中)
  • 2026年末に満期となる円定期預金(1年もの)の金利は1.0%(同じく、実質的な目減りが進行中)
  • つまり、私の円預金の価値(実質的な購買力)は近年、物価上昇率に負けて持続的に下落している
  • 安全資産の価値の下落率を圧縮したい(安全資産からの運用収益を増やしたい)
  • ネットで最近見かけた円定期預金には「1年もの1.2%」「3年もの1.25%」「5年もの1.5%」などがあった
  • 1.5%なら悪くはないが、中途解約せざるを得なくなったとき、経過した全期間に円普通預金以下のペナルティ金利が適用されてしまう点が円定期預金の短所(1年超の保有には向かないかも)
  • 気が付けば個人向け国債の利率は1.5%を超え、私の目に入る円定期預金より有利になっている【上記3.】
  • かつて個人向け国債(変動10)を保有していたころは、確定申告で損益通算する関係で個人向け国債の利金の入力が必要で面倒だったが、もうその心配はなくなっている(私の場合、今後、損益通算が必要となる可能性はなく、国債の利金は申告不要で済むだろう)
  • ということは、円預金の大部分を個人向け国債へ移していく行動が最良ではないだろうか
  • ただし、「金利のある世界」に戻った今、かつてのように「変動10」一択が正解とは限らない
  • 少し時間をかけて検討しよう
    (数カ月かかりそうなら、短期の定期預金でつないでおこうか...)

といったところです。


今後の投稿予定テーマは次のとおりです。

  • 変動か固定か混合か(固定なら5年か3年か混合か?)
  • いつ買うか(固定なら金利のピークを狙うか? 買った後の見直し方針は?)
  • 普通預金と定期預金を原資とした購入計画
  • 個人向け国債見直し議論の進捗(必要なら購入計画の見直し)

 

個人向け国債 検討メモ (2)

2026年3月に定期預金を追加購入するつもりだったのを中止して、少し時間をかけて個人向け国債を検討することにしました。このブログでは、その辺のことを何回かに分けて記録していきます。

前回の記事:
2026-05-15 個人向け国債 検討メモ (1):5年国債金利の推移など

1. 1974年~2023年 年末時点 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

2. 2024年1月~2026年5月 全営業日 5年国債金利グラフ(データ:財務省)

3. 2026年1月~6月 個人向け国債発行条件(データ:財務省)

4. 2025年 平均消費者物価指数の動向(出所:総務省)


久しぶりに個人向け国債を買うことは決めたものの、ときどき考えているうちに5月の募集が終わってしまいました。上記3.のとおり、本日、6月募集の発行条件が発表され、変動の利率は上昇し、固定2タイプの利率は低下となっています。利率の順位は、固定5>変動10>固定3のまま変わりませんでした。

5月は、個人向け国債そのものの「見直し」に関する政・官の動きが報道されていました。今回はそのキーワードを拾っておきます。

  • 2026年5月11日 日本経済新聞
    「個人向け国債、利回り上げ・解約規制緩和案
     国内保有維持へ自民に浮上」
    2026年5月12日 日本経済新聞
    「自民、個人の国債保有促進案 利回り上げ・解約規制緩和
     国内受け皿づくり、海外依存リスク警戒」
    • 自民党の資産運用立国議員連盟は4月下旬に首相宛ての提言案をまとめた
    • 国債の利回りを20%程度上げることも一案だ」(議連幹部)
    • 1年を待たずに解約できる緩和策で国債購入のハードルを下げる案もある
  • 2026年5月26日 朝日新聞
    「個人向け国債拡充へ、満期20年や物価連動の新商品も
     財務省が検討」
    •  財務省は26日の有識者会議で、個人向け国債の商品メニューの拡充、新商品の導入を議論した
    • より高い利率がつく満期20年や30年の「超長期債」
    • 物価動向に合わせて元本が変動する「物価連動債」
  • 2026年5月27日 日本経済新聞
    「個人向けインフレ連動国債を要望
     財務省の新商品調査」
    • 財務省は26日、「国の債務管理に関する研究会」で個人向け国債の新商品開発に向けたアンケート調査を公表
      • インフレ連動国債半年~1年ほどで満期を迎える年限の短い商品
    • 銀行などへのヒアリング調査も公表
      • 1年を待たずに売却できるよう制限を見直す声、満期時にボーナスクーポンを受け取れる商品を求める意見

議論の方向性は、「新NISA」の検討のときと同様、とても好ましい "ウェルカムな" 内容のように見えます。そして、個人向け国債の見直し議論がにわかに盛り上がってくると、「新しいタイプはいつから買えるのか?」「新しいタイプの追加だけでなく商品性の見直しも行われるなら、それまでに購入して保有している債券にも適用されるのか?」が気になってきます。

厚生労働省所管の公的年金・私的年金制度の改正であれば、「5年に一度」の見直し時期が明確で、決定プロセスも予想しやすいです。一方、「個人向け国債への新タイプ追加」には法改正や閣議決定などのプロセスは不要らしく、財務省の中だけで(財務大臣が)決定できるようです。となると、財務省の有識者会議での議論とパブリックコメントをウォッチしていく、という流れになると推察します。

ニュータイプの登場スケジュールにもよりますが、「あまり早く買わない方が良い "かもしれない" 理由」が一つ増えてしまいました。

今後の投稿予定テーマは次のとおりです。

  • これまでの思考の整理(預金から個人向け国債へ)
  • 変動か固定か混合か(固定なら5年か3年か混合か?)
  • いつ買うか(固定なら金利のピークを狙うか? 買った後の見直し方針は?)
  • 普通預金と定期預金を原資とした購入計画
  • 個人向け国債見直し議論の進捗(必要なら購入計画の見直し)

 

企業型DCとiDeCoの併用

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「人生ここから」を考える 大人のためのヒントが見つかる場所、というキャッチコピーのウェブサイト、「朝日新聞Reライフ.net」に寄稿しました。よろしければご高覧くださいませ。

今回のお題は、「企業型DCとiDeCoは併用できる?」です。

www.asahi.com