各種報道によれば、新NISAはかなり盛り上がっているようですね。一方、特定口座で評価益が積み上がっている場合、
・特定口座の資産をそのまま保有して運用を続けるべきか、
・それともいったん売却して新NISAで買い直すべきか、
悩んでいる人は多いでしょう。知人から質問を受けたこともあり、考え方をまとめてみました。
前提:
- 課税口座に置いている資産に評価益が出ている。
- 当面の間、新NISAの年間投資枠(360万円)をニューマネーで使い切る予定はない。
- 課税口座の資産をそのまま保有して運用を続ける場合、将来、最終的な換金時の利益額は、今よりも大きくなることを期待(予想)している。
【重要】いったん売却して新NISAで買い直す場合、新NISAでの運用成績がプラスで終わること(最終的な換金時に損失が出ないこと)を期待している。
いずれにせよ、「長期的には儲かる」つもりでそもそも投資している。
論点:
- 利益(売却益、譲渡益)に対する税金を今払うのと、将来払うのと、どちらが得か?
- 「税の繰り延べ効果」をどのように考えるか?
選択肢:
- (1) 課税口座のまま保有する
今は税金を払わず、その分を含めて運用することで、より大きく増やしたい(=税の繰り延べ効果)。一方で、将来の利益額が今よりも大きくなれば、それに比例して換金時の税額も大きくなることを覚悟する。 - (2) 新NISAで買い直す
今のうちに売却し、税額を差し引いた残りを元手に新NISAで買い直し、その後は税金を気にすることなく、無期限の非課税運用を続けたい。税を繰り延べず、源泉徴収または確定申告で納税するため、新NISAで買い直すときの元本は小さくなる。 - 今回は対象にしませんが、(1)の派生形、発展型?として以下も考えられます。
(3) 課税口座で保有し続け、自分は手を付けない
・相続財産にする
課税口座の資産は、取り崩す必要が生じない限り手を付けず、相続させる(検討するテーマが、所得税・住民税、はたまた社会保険料・医療費自己負担率などへの影響ではなく、相続税に変わります)。
・認知能力低下後、処分を家族などに任せる
(後見、信託、その他の方法がありますが、説明は割愛します)
結論:
- 課税口座に置いている資産に評価益が出ている場合、かつ当面の間、新NISAの年間投資枠(360万円)をニューマネーで使い切る予定がない場合は、上記選択肢(2)の検討をお勧めします。
- ただし、上記前提の三つ目(新NISAでの運用成績がプラスで終わること)が最も重要かつ不確実であるため、「(2)が絶対的に有利、お得」と断言することはできません。未来に期待することはできても、未来を予知することはできませんので...。
- ただし、上記前提の三つ目(新NISAでの運用成績がプラスで終わること)が最も重要かつ不確実であるため、「(2)が絶対的に有利、お得」と断言することはできません。未来に期待することはできても、未来を予知することはできませんので...。
投資信託の売却方法としては、一時にまとめて売るのではなく、「定時定額買付(ドルコスト平均法による積立投資)の逆」の考え方で、時期(時間)を分散して同じ口数を粛々と売っていくのが最善、と私は考えています。
・「買い」は複数回に分けて「金額指定」で!
・「売り」も複数回に分けて、ただし「口数指定」で!