私の金融資産残高の推移を3カ月ぶりに点検しました。
[3カ月前の記事を複製したうえで、今回更新した部分を赤にしています。お急ぎの方は赤いところだけお読みください。]
この記事における「金融資産」の前提:
- 現金と金融機関の口座残高です(銀行、証券会社)。
- 私名義の金融資産に限定し、パート・アルバイト収入がわずかにある配偶者のものは含みません。
- 貯蓄型の生命保険や個人年金保険は持っていません。
1. 私の投資手法
2001年からさまざまな投資・投機を試行錯誤し、数々の大失敗を経験。リーマン・ショックをはじめ、紆余曲折を経て私がたどり着いた投資手法は、
です。私はこれを資産運用の中心・中核(コア戦略)とし、「分散・節税・低コスト投資」と呼んでいます。
成果を感じ始めたあと、理論的な裏付け・確証を得るため資産運用に関連する資格を取得したり、偶然、年金基金の運営に携わることになったりした結果、「一般個人の金融資産運用と年金基金の年金資産運用は、税制や金融商品の違いを除けば本質的には同じである」という結論に達しました。
プロ向け(機関投資家向け)資産運用ビジネスの業界では、「年金基金による年金資産運用が資産運用の標準的な方法」とされています。であるならば、一般個人も年金基金の運用基本方針を理解したうえで資産運用するほうがよいと思いませんか?
「分散・節税・低コスト投資」は、
- 世界各国の年金基金の多くが何らかの形で採用している現代(近代)ポートフォリオ理論と日本国内の個人向け税制優遇措置(DC、NISA)の要点を理解し、
- アセットアロケーション(資産の配分)とアセットロケーション(資産の置き場所)が「そこそこ」適切であれば合理的に資産形成できるはずだ
という考えに基づき、
- パッシブ(インデックス)型の投資信託を買い増していく
という、単純かつ手間のかからない投資手法です(実際には買い増しだけでなく、節税と乗り換えの目的で売却することもあります)。
私の運用目的は「老後資金形成」です。「長生きしたい」とか「(金銭的な意味で)贅沢したい」などの気持ちはないのですが、「将来、自分または配偶者が想定以上に長生きしてしまってもお金に困ることがないよう、無理のない範囲で準備しておきたい」、ただそれだけです。
2. 資産配分比率(2023年6月末)
- 4月初旬に高額支出(亡父から相続した借入金の全額繰上返済、約1900万円)を控えていたことと、それに伴って安全資産(預金)が激減することから、一般NISA口座と特定口座での投資信託の購入は2022年12月のリバランスを最後に休止しています。一方、個人型DC(iDeCo)の積立を2月から細々と始めました(下のグラフのゼロ%部分です)。
- アセットクラス別で見ると、3カ月前に比べ、国内株式 1ポイント増、先進国株式 1ポイント増、国内REIT 2ポイント減、先進国REIT 変わらず でした(奇しくも3カ月前の増減と同じとなり、株式クラスの堅調を表しています)。
- ベンチマークごとに、それぞれ単一または複数のパッシブ(インデックス)型投資信託によって構成されています。
国内株式クラスはTOPIXだけにしたいのですが、アベノミクス初期の2013年に特定口座で一括購入した日経225の運用収益率が100%以上(評価額が元本の2倍以上)になり、税金を考えると、なかなか売るに売れません(譲渡損失の損益通算または繰越控除を使える年の12月に、税金がかからない範囲でTOPIXに乗り換えています。毎年12月のこの作業を「師走モニタリング」と称しています)。
3. 年間運用損益(2023/1/1~6/30)
(1) コア戦略
前述の「1. 私の投資手法(分散・節税・低コスト投資)」です。
リスク資産(投資信託)は、SBI証券の特定口座と一般NISA口座に置いています。もともとは、直販投信を含め、複数の金融機関で投資信託を運用していましたが、管理の手間を減らしたかったことと、良質な投資信託をひととおり取り扱っていることから、2011年までにSBI証券1社に集約しました。
以下、本年分の運用損益を「トータルリターン」で確認してみます(個人型DC[iDeCo]は含まれません)。
- トータルリターン
= 評価金額 + 累計受取分配金額 + 累計売付金額
- 累計買付金額
SBI証券における年間トータルリターン
- 2023年1~3月、SBI証券における投資信託の運用収益率はプラス2.83%でした。
株式クラスは3月9日までおおむね堅調。その後、米欧の相次ぐ銀行破綻と、それにもかかわらず利上げを継続する米欧の中央銀行の姿勢により失速してしまいましたが、最後の数日で復調しました。 - 2023年1~6月、SBI証券における投資信託の運用収益率はプラス15.82%でした。4月以降「バフェット効果」などの材料もあり、日経225が際立って堅調。アベノミクスが始まった2012年末の勢いを思い出しました。
(2) サテライト戦略
コア戦略以外の取引や保有分をサテライト戦略と称しています。
内容 | 実現損益 (税引前) |
現在の運用状況 |
---|---|---|
ソーシャルレンディング 特別収入(出資金一部返還) |
+5,720円 | なし (減損処理済み) |
株式(現物の超短期売買) | +18,570円 | なし (売却済み) |
- ソーシャルレンディングは,、2021年5月に投稿したとおり、順次撤退を進めてきました。Trust Lending(AI株式会社)、旧SBIソーシャルレンディング株式会社(株式会社バンカーズ)、OwnersBook(ロードスターインベストメンツ株式会社)の3社で事故案件が発生。旧SBIソーシャルレンディングの元本は9割強戻ってきましたが、他の2社は未償還の元本全額(40万円弱)を減損処理済みです。
1月、OwnersBookから元本のごく一部(5.7%)が戻ってきましたので、特別収入として計上しました。 - 6月最終週、株式(現物の超短期売買)の取引機会が1年半ぶりにあり、少額で3銘柄を手がけました。いきなり2連敗で始まり最後に1勝。ハラハラ・ドキドキ感を久しぶりに堪能でき、トータルではわずかな利益も得ました。まぁ、遊び・刺激として、超短期売買もたまには良いですね(少額なら)。
4. 金融資産残高の推移(1999/4/30~2023/6/30)
レバレッジをかけた資産や外貨建て資産を含めたこれまでの運用成績を、まとめて(1枚で)お見せする良い方法を思いつきません。
そこで、収入や支出、負債の返済、リスク資産の値動き等々、私のすべての経済的活動の結果である「金融資産残高の推移の棒グラフ(月次)」を掲載します。
1本の棒の高さは、その月の
の結果としての、月末時点の金融資産残高を表しています(負債を差し引く前の残高[いわゆるグロス、総額]であり、純金融資産残高[いわゆるネット、純額]ではありません)。
- 上のグラフ、中央やや左の「レ」の形の凹みは、株式の信用取引など無茶していた頃のリーマン・ショック(2008年秋)の影響です。
- リーマン・ショックより左側にもガクンと低くなっている棒が数本ありますが、これらは住宅ローンの繰り上げ返済による残高減少です。
- 右端から7本目の棒(2022年12月)が大きく伸びた最大要因は、企業型DCから一時金を受け取り(約850万円)、収入・資産に計上したことによります。
- 右端から3本目の棒(2023年4月)がガクンと低くなった最大要因は、亡父から相続した負債(約1900万円)を全額繰上返済したことによります。
以上、参考になるかどうかわかりませんが、会社員世帯の実例として投稿しました。
ちなみに本年3月末、38年勤めた会社を定年退職し、4月から当面の間、短時間勤務での再雇用です。激減した収入の代わりに新たに生まれた時間は、FP活動や地域ボランティア活動に充てています。