あなたの家計は 100歳まで もちますか?

独立系FP 福嶋淳裕のブログ

年金改革法案の施行時期情報

このブログで何度か取り上げている年金改革法案について、政府は3/3に閣議決定し、引き続き今国会での法案成立を目指しています。

施行の時期について、前回、「一部の規定を除いて、2022/4/1施行を予定」と投稿しました。読者の方から質問がありましたので、今回、施行の時期などについて補足します(丸囲み数字は、前回の記事に合わせています)。

 

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2022年4月施行予定

③受給開始時期の選択肢の拡大

  • 本人が選択する公的年金の受給開始時期を、現行の「60~70歳」から「60~75歳」に拡大する

②在職中の年金受給の在り方の見直し

  • 働くと(おおむねフルタイムで雇われると)厚生年金が減額される「在職老齢年金(在老)制度」の対象年齢のうち、60~64歳(低在老)を見直す(厚生年金の減額が始まる基準[賃金と年金の合計額]を、現行の「月額28万円」から「月額47万円」に引き上げる)、など。

⑤その他

  • 年金手帳を廃止して「基礎年金番号通知書」に切り替える、など。

 

2022年10月施行予定

①厚生年金の加入対象を広げる被用者保険の適用拡大【第1弾】

  • 厚生年金に加入できる短時間労働者を増やすべく、短時間労働者の基準を見直す(加入要件の一つである従業員数の基準を現行の「501人以上」から「101人以上」に)、など。

確定拠出年金(DC)の加入可能要件の見直しなど

  • 企業型DC加入者のiDeCo加入要件を見直す20歳以上のすべての会社員が iDeCoに加入可能に)、など。

 

2024年10月施行予定

①厚生年金の加入対象を広げる被用者保険の適用拡大【第2弾】

  • 厚生年金に加入できる短時間労働者を増やすべく、短時間労働者の基準をさらに見直す(加入要件の一つである従業員数の基準を「101人以上」から「51人以上」に)、など。

 


 

関連する私の過去記事は、以下にあります。ご参考まで。

■「制度変更ウォッチング」カテゴリーの記事一覧

 

「買い下がり」を始めました

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私は、投資信託を定時定額で購入する「積立投資」以外に、内外の株価指数や米ドルなどの下落局面で投資信託をちびちびと買い増す(買い下がる)ことがあります(「積立投資」に対し、「追加投資」と呼んでいます)。

 

週末と月末が重なった2020/2/28(金)、私は休暇で自宅にいました。

14:45頃、東京・大阪の指数・指標をいくつかチェックした結果、「買い下がり」開始を決断。内外の株式クラスとREITクラスを注文指図しました。

残念ながら、いつもどおり少額です(笑)。

 

普通の「急落」、上昇トレンドにおける「調整」であれば、2/28から3月上旬あたりが「底」になる可能性が高いと判断したうえでの買い下がり開始です。

しかしながら今回の下落は、今までに経験がない要因によるものであるため、長期戦になるかもしれません。

 

ちなみに、2020/2/22(土)から2/29(土)までの1週間(実質的には4日間)、私の金融資産は(企業型DCや、この期間に受け取った給与を含めて)約316万円減りました...(涙)。

 

どうなるか、見ていきましょう。

 

急落・暴落で思い出したい言葉

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夜明け前が一番暗い

明けない夜はない

日はまた昇る

野も山も、みな一面に弱気なら、阿呆になって米を買うべし

天井買わず、底売らず

三空叩き込みには買い向かえ

 


 

(2018/12/20に投稿した記事とほぼ同じ内容です)

 

年に何度か、相場が「急落」する局面があります。
数年に一度は「暴落」と報道されることもあり、◯◯ショックなどと名付けられたりします。

 

そのようなとき、もしもあなたが、

『自分は、許容できる最大損失想定額に見合う標準偏差ポートフォリオを組んでいる!』

と明言できるのであれば、冒頭に掲げた言葉のいくつかを是非思い出していただき、

  • 決して「狼狽売り」せず、
  • 余裕資金があれば、むしろ「買い増す」

ことをおすすめします(明言できないとしたら、この記事は当てはまりません)。

 

相場や有価証券の価格は、しばしばオーバーシュートするものです。 

 

投資は自己責任なので決めるのはもちろんあなたですが、私はいつも急落の際は、「決して売らず、少額で買い下がっていく(一定の期間、下げるたびに買い増していく)」ようにしています(少額でも、あとになって底で買えたことがわかると気分がいいので... 笑)。

 

なお、「決して売らず」と書きましたが、急落の過程で評価損が発生した金融商品(私の場合、主に投資信託)がある場合は、節税目的でその投資信託をいったん売却し、同じ投資信託(または、ベンチマークが同じで分配実績がなく、より低コストな投資信託)を同時に同額買い直すのもよいでしょう。 

 

冒頭の6行を繰り返します。

 


 
夜明け前が一番暗い

明けない夜はない

日はまた昇る

野も山も、みな一面に弱気なら、阿呆になって米を買うべし

天井買わず、底売らず

三空叩き込みには買い向かえ

 

「買い下がり」を始めま...

今朝(2020/2/25)のニューヨークおよびシカゴ市場における株式・株価指数先物の急落を受け、今日の東京・大阪市場は4ヶ月ぶりの安値となりました。

私は今日、たまたま自宅テレワークの日でしたので、ザラ場を眺めやすい状況にありました(笑)。

 

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結論として、今日は「買い下がり」を始めませんでした。 

もっとも、早ければ一両日中にも「買い下がり」を始める局面が訪れるかもしれません。
あとで振り返れば、「追加投資」の好機だったといえるでしょう。 

何はともあれ、ご自愛ください。

 


 

freespirit1979.hatenablog.com

 

 

 

NISAは今後どう変わるのか

このところ、厚生労働省所管の制度に関する投稿が多かったので、金融庁所管の制度についても投稿します。

というわけで今回のテーマは、公的年金私的年金と並んで重要な「少額投資非課税制度(愛称:NISA)」です。

NISAは、制度の改正が2020年度税制改正大綱に盛り込まれ、2024年1月、大きく変わる見通しです。

少々先の話ですが、現役時代がまだまだ続く世代の方々はウォッチしていきましょう。

 

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各種NISA制度の現状

現在、3種類のNISA制度が並立しています。

金融庁によると、2019年9月末時点の口座数は次のとおりです。

  • 一般NISA(2014年1月開始)約1,170万 口座
  • ジュニアNISA(2016年4月開始)約34万 口座
  • つみたてNISA(2018年1月開始)約171万 口座

口座数だけで見れば「初代」の圧勝ですね。
一般NISAの使い勝手は証券会社の普通の口座(特定口座、一般口座)とほぼ同じですので、「使い勝手に制約がないにも関わらず、一定の投資分を節税できる(正確には、節税できる可能性がある)」点が、広く好まれたのでしょう。

現行の3制度を要点のみまとめておきます。 

  一般
NISA
ジュニア
NISA
つみたて
NISA
購入・加入年齢 20歳以上 0~19歳 20歳以上
購入できる金融商品 株式, 投資信託, ETF, REITなど 同左 長期の積立・分散投資に適した投資信託など
購入できる暦年 2014~2023年 2016~2023年 2018~2037年
購入の方法 制限なし 同左 定時定額(積立)
購入最大限度額 120万円×5年
=600万円
80万円×5年
=400万円
40万円×20年
=800万円
払出・受給年齢 制限なし 18歳まで
払出しに
制限あり
制限なし
購入・拠出時の税制優遇 優遇なし 同左 同左
運用益に対する税制優遇 5年間 非課税
(ロールオーバー
[繰り越し]
1回可能)
5年間 非課税
(制度終了後
20歳まで
ロールオーバー可能)
20年間 非課税
払出・受給時の税制優遇 優遇なし 同左 同左
口座管理費用 無料 同左 同左

 

今後どう変わるのか

1. 一般NISA

  • つみたてNISAの要素を追加した「2階建て」構造の新しいNISAになる。
  • 購入できる暦年は、2024年から5年間。

    「2階建て」というと1階部分の利用が必須に聞こえますが、投資経験がある人などは2階部分だけの利用も可能なようです。
    1階と2階とで同じ金融商品を買えないケースが出てくることは少々面倒な改正です(たとえば、内外のREIT指数に連動する投資信託は、2階では買えますが1階では買えません)。
    しかしながら、「事実上の制度延長」という点でとても意義のある改正だと思います。

 

  1階部分 2階部分
購入できる金融商品 つみたてNISAと同じ 株式や投資信託など(整理・監理銘柄の株式やレバレッジ型の投資信託は除外)
購入できる暦年 2024~2028年 同左
購入の方法 定時定額(積立) 制限なし
購入最大限度額 20万円×5年=100万円 102万円×5年=510万円

 

2. ジュニアNISA

  • 予定どおり、2023年で制度を終了する。
  • 一方、制度終了に伴い、払い出し制限(子どもが18歳になるまでは原則として払い出し不可、という制限)を撤廃する方向。

    「これで使い勝手がよくなる!」という皮肉な意見もあるようです。その理由は、「子どもが18歳になるまで資金を拘束されるのはけっこうハードルが高いが、2024年1月までの拘束なら見通しを立てやすい」ということでしょう。
    小さいお子様がいらっしゃるご家庭は、最終年の2023年分まで、1年あたり、かつ、お子様一人あたり80万円非課税投資枠を増やせます。検討してみてはいかがでしょうか。

 

3. つみたてNISA

  • 購入できる暦年を5年延長し、2018~2042年とする。

    え? 金融庁イチオシのつみたてNISAの改正はこれだけですか...。
    内外のREIT指数に連動する投資信託の容認を期待していましたので、個人的には少々期待外れです。